結論から言うと、健康な成人がカフェインをとる目安は1日あたり400mgまで、1回あたり200mgまで(欧州食品安全機関EFSAの評価)です。ドリップコーヒー1杯(150ml)に含まれるカフェインはおよそ90mgなので、コーヒーなら1日3〜4杯が一つの目安になります。ただしこれは「健康な成人」の数値で、妊娠中・授乳中の方や体質、持病、他の飲料からの摂取量によって変わります。この記事では、公的機関が示すカフェインの摂取量の目安と、コーヒーが「何杯まで」に相当するのかを、成分の面から整理します。
本記事は特定の商品の効果をうたうものではなく、公的機関・研究にもとづく一般的な情報です。カフェインの影響には個人差があり、体調や持病、服用中の薬によって適量は異なります。不安がある場合はかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。
カフェインの1日の摂取量の目安
日本国内にはカフェインの摂取許容量について定められた明確な基準はありません(食品安全委員会・農林水産省とも、国際機関や各国の評価を紹介する形をとっています)。よく参照されるのが、欧州食品安全機関(EFSA)が2015年に公表した科学的意見です。EFSAは対象を分けて次のように述べています。
| 対象 | 習慣的な摂取の目安 | 1回あたりの目安 |
|---|---|---|
| 健康な成人 | 400mg/日まで | 200mg/回まで |
| 妊娠中・授乳中の女性 | 200mg/日まで | — |
| 子ども・青少年 | 体重1kgあたり3mg/日まで | — |
これらは「この量までなら健康への悪影響が生じる懸念はない」とされる水準で、「これだけ飲むべき」という推奨値ではない点に注意してください。また、睡眠前については、就寝に近い時間帯の100mg程度の摂取でも睡眠の時間やパターンに影響しうるとされています(EFSA)。就寝前は目安より少なめが安心です。
コーヒー1杯は何mg?「何杯まで」に換算すると
食品安全委員会の資料では、コーヒー(浸出液)のカフェインはおよそ60mg/100mlとされています。カップの大きさ別に、400mg/日の目安が何杯に相当するかを計算すると次のようになります。
| カップの容量 | 1杯あたりのカフェイン量(目安) | 400mg/日に相当する杯数 |
|---|---|---|
| デミタス(90ml) | 約54mg | 約7杯 |
| レギュラー(150ml) | 約90mg | 約4〜5杯 |
| マグ(240ml) | 約144mg | 約2〜3杯 |
一般的なレギュラーカップなら1日3〜4杯、大きめのマグを使う方は2〜3杯を一つの目安と考えると、400mgの範囲に収まりやすくなります。エスプレッソは1ショット(約30ml)で約60〜80mgと濃いので、杯数ではなくショット数で数えるとわかりやすいでしょう。
飲み物別のカフェイン量を比べる
カフェインはコーヒー以外の飲み物にも含まれます。1日の合計で考えることが大切です。
| 飲み物 | カフェイン量(100mlあたりの目安) |
|---|---|
| 玉露 | 約160mg |
| コーヒー(浸出液) | 約60mg |
| インスタントコーヒー(浸出液) | 約57mg |
| 紅茶 | 約30mg |
| 煎茶・ウーロン茶・ほうじ茶 | 約20mg |
| コーラ類 | 約10mg |
| エナジードリンク | 製品差が大きい(1本あたり32〜300mg程度) |
カフェインの働きと半減期
カフェインには眠気を抑える覚醒作用、利尿作用などがあります。体内での半減期はおよそ4〜6時間とされ、これは「摂取したカフェインの量が半分になるまでの時間」の目安です。夕方以降にとると就寝時刻にも残りやすいため、睡眠を重視するなら午後の遅い時間は控えめにするのが一つの方法です。就寝時刻から逆算した具体的な目安は、コーヒーのカフェインと睡眠の関係|寝る何時間前まで?で詳しく整理しています。半減期には個人差があり、体質や喫煙・服薬状況などによって長くも短くもなります。
とりすぎのサインと注意したい人
消費者庁・農林水産省は、短時間に大量のカフェインをとると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、吐き気などが起こりうると注意を促しています。特に次のような場合は、一般的な目安より少なめを心がけるか、医師に相談することがすすめられます。
- 妊娠中・授乳中の方(習慣的な摂取は200mg/日までが目安とされています)
- 子どもや青少年(体重あたりで目安が小さくなります)
- 心臓の疾患や不安症状がある方、カフェインに敏感な体質の方
- エナジードリンクやカフェイン錠と併用する方(合計量が増えやすい)
これらはあくまで一般的な情報で、適量には個人差があります。持病がある方や薬を服用中の方は、自己判断せずかかりつけの医師・薬剤師に相談してください。
カフェインを控えたいときの選択肢
「コーヒーの味や習慣は楽しみたいけれど、カフェインは控えたい」という場合は、カフェインを大幅に除いたデカフェ(カフェインレス)コーヒーという選択肢があります。製法によって残るカフェイン量や風味の傾向が異なります。仕組みはデカフェの製法は4種類|スイスウォーター・CO2・薬品の違いと安全性で、商品の選び方はデカフェ・カフェインレスコーヒーおすすめランキングで紹介しています。また、コーヒーの成分と体の関係に関心がある方は、コーヒーと腸内環境の関係や、淹れ方の基本をまとめたコーヒーの淹れ方完全ガイドもあわせてどうぞ。
よくある質問
Q. コーヒーは1日何杯までなら大丈夫ですか?
健康な成人であれば、カフェイン400mg/日を目安に、レギュラーカップ(150ml)でおよそ3〜4杯が一つの目安です。マグカップなど大きめの器を使う場合は2〜3杯程度に相当します。紅茶やエナジードリンクなど他の飲み物からの分も合算して考えてください。
Q. 妊娠中はコーヒーを飲んでもいいですか?
EFSAは妊娠中・授乳中の習慣的な摂取について200mg/日までを目安としています。コーヒーなら150mlカップで約2杯分ですが、体質や妊娠経過によって適量は異なります。かかりつけの産婦人科医に相談したうえで判断してください。
Q. 夜にコーヒーを飲むと眠れなくなるのはなぜ?
カフェインには覚醒作用があり、半減期は約4〜6時間とされます。夕方以降に飲むと就寝時刻まで作用が残りやすいためです。就寝前の100mg程度でも睡眠に影響しうるとされるため、夜はデカフェに切り替えるのも一つの方法です。
出典・参考
- 欧州食品安全機関(EFSA)「Scientific Opinion on the safety of caffeine」EFSA Journal, 2015:https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4102
- 内閣府 食品安全委員会「食品中のカフェイン」(2018年ほか):https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf
- 農林水産省「カフェインの過剰摂取について」:https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
- 消費者庁「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/food_safety_portal/other/contents_002/
- 国民生活センター「飲料のカフェイン含有量に関する調査」(2021年):https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20211104_3.pdf
※本記事は2026年9月時点の公的機関の情報にもとづいています。カフェインの影響には個人差があり、記載の数値は研究・評価にもとづく一般的な目安です。持病のある方、妊娠中・授乳中の方、薬を服用中の方は医師・薬剤師にご相談ください。
まとめ
健康な成人のカフェイン摂取の目安は400mg/日・200mg/回(EFSA)で、コーヒーならレギュラーカップで1日3〜4杯が目安です。妊娠中・授乳中は200mg/日まで、就寝前は控えめにと、状況によって適量は変わります。コーヒーは他の飲み物や食品にもカフェインが含まれることをふまえ、1日の合計で無理のない範囲で楽しみましょう。カフェインを控えたいときはデカフェという選択肢もあります。
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