2026年9月のコーヒーを巡る動きは、国際相場の一服・国内の値上げラッシュ・EUの規制延期が同時に進んでいます。相場は落ち着きを取り戻しつつある一方、私たちが店頭で払う価格はむしろ上がっているのが今週の構図です。最新の重要トピック6つを、出典つきで1本にまとめました。コーヒーそのものの淹れ方をおさらいしたい方はコーヒーの淹れ方完全ガイド(初心者向け)もあわせてどうぞ。
1. アラビカ相場は9月に一服、それでも高値圏
ICEのアラビカ先物は2026年9月上旬に1ポンド=約2.9ドル前後まで下げ、8月24日の高値からは13.5%ほど調整しました。利益確定売りと投機筋の手じまいが主因です。もっとも、ICEの認証在庫は9月初旬に約68.7万袋と2024年5月以来の低水準で、供給の細さは変わっていません。高値圏でのもみ合いが続いています。(出典:Barchart, 2026/Comunicaffe, 2026)
2. ブラジル2026/27は記録的豊作予測
調査会社Marexは、ブラジルの2026/27年産を前年比15.5%増の約7,590万袋と、記録的な豊作になると予測しました。豊作予測は相場の重しになりますが、天候次第で見通しは動きます。ブラジルをはじめ主要生産国の味わいの違いは世界のコーヒー産地マップで比較できます。(出典:Barchart, 2026)
3. ベトナムの輸出は好調に推移
ロブスタ最大の生産国ベトナムの2026年1〜5月の輸出量は、前年同期比7.9%増の約92.2万トンと好調でした。ロブスタ相場は6月以来の安値圏に沈む場面もあり、供給の回復が価格の落ち着きを支えています。ロブスタとアラビカの違いはコーヒーの産地・品種完全ガイドで解説しています。(出典:Barchart, 2026)
4. 国内は9月に値上げが集中
国際相場が一服する一方、国内では値上げが9月に集中しています。ネスレ日本はネスプレッソ用などを9月出荷分から約5〜25%値上げ。コロワイド傘下C-Unitedの「カフェ・ベローチェ」「カフェ・ド・クリエ」は10〜50円、「珈琲館」は20〜100円を9月1日から順次引き上げました。キャピタルコーヒーも計量コーヒーを9月15日から改定します。原材料高と人件費の上昇が背景です。(出典:日本経済新聞, 2026/日本経済新聞, 2026/キャピタルコーヒー, 2026)
5. EUDR(森林破壊防止規則)は適用開始が2026年12月へ延期
EUの森林破壊防止規則(EUDR)は、適用開始が当初の2025年12月30日から1年延期され、中〜大規模事業者は2026年12月30日から、零細・小規模事業者は2027年6月30日からとなりました。手続きの簡素化でも合意しています。コーヒーは対象7品目の一つで、将来的には「森林破壊に関与していない」証明が輸入・流通の条件になります。日本の生産者・輸入者にも関わる動きです。(出典:農林水産省, 2026/ジェトロ, 2025)
6. コンビニ・チェーンの新商品も動く
身近なところでは、セブン-イレブンが「セブンカフェ アイスコーヒーXL(280円)」を投入するなど、豆・焙煎・淹れ方にこだわった大容量コーヒーが広がっています。ローソンのマチカフェはフローズン系ドリンクを展開するなど、各社が付加価値で差別化を進めています。値上げ局面でも、コンビニコーヒーはコスパの基準として比較の対象になり続けています。(出典:コーヒー豆研究所, 2026)
今週のまとめ
2026年9月は、国際相場は高値圏で一服・国内は値上げが集中・EUDRは1年延期という三つの流れが同時に進みました。相場が落ち着いても店頭価格の上昇はしばらく続きそうです。家計を守るなら、豆をまとめ買いして自宅で淹れる選択肢も現実的です。淹れ方の基本は淹れ方完全ガイドから確認できます。過去のニュースは【週間まとめ】2026年8月第1週のコーヒーニュースもどうぞ。
よくある質問(FAQ)
- 2026年9月にコーヒーの国際相場はどうなっていますか?
- 2026年9月上旬のアラビカ先物は1ポンドあたり約2.9ドル前後で、8月下旬の高値からは1割強下落し一服しています。ただしICEの認証在庫が2024年5月以来の低水準まで減っていること、ブラジルの天候懸念が残ることから、下値では買い戻しも入りやすく、方向感の定まらない値動きが続いています(出典:Barchart/Comunicaffe、2026年)。
- 2026年9月に国内で値上げされるコーヒーは?
- ネスレ日本はネスプレッソ用など複数品目を9月出荷分から約5〜25%値上げすると発表しました。コロワイド傘下C-Unitedの「カフェ・ベローチェ」「珈琲館」なども9月1日から順次10〜100円ほど値上げ、キャピタルコーヒーは計量コーヒーを9月15日から改定します。原材料高と人件費上昇が主因です(出典:日本経済新聞ほか、2026年)。
- EUの森林破壊防止規則(EUDR)はいつからコーヒーに適用されますか?
- EUDRの適用開始は当初の2025年12月30日から1年延期され、中〜大規模事業者は2026年12月30日から、零細・小規模事業者は2027年6月30日からとなりました。あわせて手続きの簡素化でも合意しています。コーヒーは対象7品目の一つで、森林破壊に関与していない証明が求められます(出典:農林水産省/ジェトロ、2025〜2026年)。
この記事について
えらびログ編集部(TANY/タニー)|ホームカフェ歴15年、国内外100種類以上のスペシャルティコーヒー豆と20種類以上の抽出器具を扱ってきた運営者が、豆・器具・産地の選び方を紹介しています。相場・規制・価格に関する記述は、公的資料や専門メディアの公開情報を確認のうえ、出典を明記する方針です。詳しくは運営者情報・編集方針をご覧ください。
